三重押しって大変なんです

三重押って大変なんです。
いや、本当に大変で。
もう、本当に、左指が痛いんです!

なんのことかと言えば、箏の曲の話なんです。

今度の演奏会で弾くことになっている曲の一つ、
地唄の『萬歳』という曲のことなんです。

この曲の箏のパートは、他にはない、とても変わった音階になっています。

どう変わっているのか?ということを詳しく説明してしまうと長くなるのですが、
簡単に言うと、「レソラレ」のように並んだ音があちこちにあり、
それなのに、「ファ」とか「ド」の音を、左手の押で作らないといけないのです。

箏をされていない方には、「なんのこと?」って感じですよね。

箏は、左手で、普通に押すと、糸に張力が加わって、半音高くなります。
強く押すと、一音高くなります。
そして、、もっと、「ンギュー」って押すと、一音半、高くなります。

大体の場合、箏の押しは、上の二つができていれば、
ほとんどの曲は演奏できます。

でも、ときどき、この「ンギュー」を必要とするシーンがあって。それが、なかなか大変で。
すごく力?コツ?瞬発力?(いや違うか)が必要とされるのです。

そして、話を戻してこの『萬歳』。
この曲のためだけに、考案された阿蘭陀調子(またの名をオルゴール調子)には、
曲を弾き終えるまでに、30回以上も、「ンギュー」をしないと演奏ができません。
この「ンギュー」が、初めに書いた三重押のことです。

しかもこの曲、ちょっとだけ箏柱を動かして対応して…、なんていう暇も作れないほどに、
曲そのもののテンポも歯切れ欲進んでいきますから、もう大変です。

でもでも、前から、ずっと、この曲に向き合ってみたい、と強く思っていたので、
曲や言葉に込められたリズムを、しっかり表現できるように、
本番に臨みたいと思っています。

日曜日は すぐ そこです