桜満開によせて 国立 わとわでのコンサート

続いて…。26日のコンサートにいらしてくださった皆様、本当にありがとうございました!

コロナ禍が始まり、このコンサートと展覧会も、中止の波の中に飲み込まれていましたが、無事にこうして開催していただけたこと、そして演奏できたことが本当に幸せでした。

この1年、私は、1部の舞台を除いてほとんど配信のみの演奏に関わっていましたが、やっぱりやっぱり、沢山の方の前で演奏すること、その瞬間、お客様から沢山のエネルギーを頂くこと、これに勝るものはないと心の底から感じました。

本来なら50名定員のところを20名に減らしていたため、あっという間に昼公演が満杯になり、
「それでは夜公演を開催しませんか?」とおっしゃってくださったわとわギャラリーの廣瀬様ご夫妻。
久々の人前での演奏だし、演目も動きの激しいハードなものばかりだし、2公演なんて乗り切れるだろうか?という不安は確かにありました。

でも共演してくださった吉永真奈さんも快く公演を引き受けて下さり.練習に熱を入れて…、当日を迎えたのでありました。

私は舞台の9割に黒い着物で臨んでいる気がするのですが、その日ばかりは穏やかな季節にちなみ、柔らかい色の着物に袖を通しました。
真奈さんも、桜の季節にちなみ桜のデザインをあしらった素敵な着物でご登場。会場からもわーっと歓声があがっていましたね。

演目に選んだ、「水の変態」、そして「二つの個性」。どちらも私にはとても思い出深く、そしてとてもハードな動き!
振り落とされそうにもなりながら(苦笑)、頑張って演奏し終えて。
最後は、今回の演奏会で必ず披露したかった新曲「春の光」でした。

詩人の佐々木幹郎さんに去年の年明け、無理を承知でお願いしてこの曲のために詩を書いて頂き、舞台の中止は決まっていたけれど、どうしても3月に完成だけはさせたくて…。作曲しているときは、必ずコロナが収束して世の中にも春が訪れるように。そんな願いも込めたような気がします。

演奏している時にも、ふっと去年の春の、なんというか不安な空気感も思い出しました。

でも「今こうして多くの皆さんに見ていただいている」、それが嬉しかったあの瞬間は、きっと忘れられない1ページになると思います!

演奏会が昼夜無事に終焉を迎え、何より1番ご満悦でいらしたのは、楽器を貸してくださった吉沢武さん。
展覧会の出展者のお一人でもあられた宗廣佳子さんのご主人で、昨年、突然病魔に襲われてしまった奥様と悲しいお別れをなさったばかりでした。

そんな吉澤さんが、私の手を取って「本当に嬉しかった!」と何度もおっしゃって、胸が熱くなりました。

久々に長く綴ってしまいましたが…。共演してくださった吉永真奈さん、わとわの廣瀬さんご夫妻、そしてお琴職人の吉澤武さんはじめ、皆皆様に心より感謝申し上げます。本当に本当にありがとうございました!!