白杖合宿2024

暑い毎日ですね。私は先月末、浜松でとても楽しい体験をしてきました。

題して、白杖合宿!歩行訓練じゃなくて白杖を手作りするんです。
30年ほど前から続いているらしく、一度は参加してみたいと思っていた合宿でした。

今回作った白杖は私の身長に合わせて125㎝・持ち手は初めて見る木。いわゆる木柄(もくえ)。
折りたたみなので5本のパーツを組み立てます。

白杖は最初から白い訳ではなく、金属製のシルバーのパイプ状のパーツから作って行きます。
完成の時点で一番上にくる、つまり手に持つ部分は一番長い棒。
中間に来るのは同じ長さが3本の棒。足元にくるのが一番短い棒になります。

今でも折り畳まない直杖はありますが、今ではコンパクトな4本か
5本からなる折りたたみが多いのではないでしょうか。その部品たちを細かい作業を通じてつなぎ合わせていくわけです。

次にその部品達よりも指2本ほど長くカットした、「白いチューブ」を被せていきます。
特製の台に乗せてぬっと通す工程は、なんだかクセになる気持ちよさでした。

次に、誰の白杖か分かるようにして各自縛った(ペンのインクなどが付着しないように鉛筆で)束を、これまた特製の籠に刺し、一斗缶で沸騰させたお湯の中に、空気を抜くようにゆっくりゆっくり入れていきます。

白い塗装がぴたっと定着していき、なんとなくここで白杖かなと分かるような見た目になります。

ここからバリ取り、つまり余った細かい部分をカッターを使って取り除いていくのですが、この作業が一番怖く、大変でした。

スタッフの方からコツを教えてもらいながら取り除きますが、
一本のパイプに対して2箇所、つまり合計10箇所あるので手を切らないように、ゆっくりゆっくり慎重に作業しました。 

その次の工程もパイプの内側を小刀を使って削り取りましたが、これもツルッと滑らないように、それなりの神経を使いました。

次は、パイプ同士を繋ぎあわせる、4つのジョイント部分をパイプにきちっとおさまるように、削る作業になります。

手を切ったりする心配はないものの、削りすぎるとぶかぶかに、削らなくても入らない。

左手首を回すと同時に、右手はやすりの力だけで、おなごに触れるように(斯波さん談)削っていくのですが、スッスッと勢いよく削れるようになったころ、波に乗ってスイスイやりすぎると削りすぎです。

削りすぎると、ジョイントとしては使えなくなるため、新たな部品でやり直しなのです。

2日目も、1日目に削ったジョイント部分の部品の反対側を削っていきますが、同じく失敗してしまうと、1日目の工程からやり直しになってしまう為、更に慎重さが必要となりました。

削ったジョイントがちゃんと棒の中に収まるか、あるいは2本の棒同士が、ちゃんとガタつかないかどうかを、ちょっと削っては試しにつなぎ合わせてみるわけですが。

特に棒同士をつなぎ合わせたときに、やや抵抗があり、でも力を入れずに抜けるのが理想的なのですが、その加減が本当に難しかったです。

5本が無事に繋がったところで、木の持ち手を瞬間接着ボンドで付け、穴を開けてもらい、手ゴム(引っかけたり、白杖を畳んだ時に束ねる)を通します。結び目が持ち手の空洞の中になるよう本結びにします。

最後に、5本の棒をつなぎ合わせる作業です。ゴムを、白杖の大体1.8倍の長さになるようにカットします。
次に、木の持ち手の先をゴムに通して、両端を本結び。
その後針金を糸通しのように使って1本ずつパイプの中に通していきます。

最後に石付き(底)のパーツを引っ張りながら引っかけて差し込み、完成です!!なお、エプロンが裏表逆と思われた方!これは細かい削りかすがポケットに入らないためにこうしているのです笑。

今までは、自分で歩くための道具は、常に購入していましたが、
それをまさか自らの手で一から作り上げる体験をできる日が来るなんて夢にも思わなかったので、今回は本当に楽しく、勉強になりました。

私と同じ立場で白杖歩行をしている皆さんには一度は是非体験していただきたいです! 

頭と手を使いスタッフの方も優しく指導してくださるので本当に楽しいですよ!

改めましてウィズ半田の皆さん、本当にありがとうございました!