久々の再会に溢れた十字屋サロンでのひととき

先日の銀座十字屋午後のサロンは、「懐かしの再会」に溢れた時間になりました。

小学校、そして中学校時代にお世話になった先生、そう、まだ私が箏を始める前から
「かわいがって」くださった先生が、数名おこし下さり、いつもとは違った温かさと
緊張感の中、サロンが始まりました。

今回は、筑前琵琶奏者で、元宝塚歌劇団の娘役のトップスターでおられた上原まりさんとのひととき。
最初はまりさんの朗読、続いて私の演奏、最後に対談という構成でした。

息を潜めて舞台裏、朗読ミュージカル『白檀の扇子』(原作:東直子、脚色:山崎陽子)。
書道に憧れ(先生に憧れ)その道に進んだ、少女と先生が織り成す物語にうっとり。

感動の思い覚めやらぬまま、私の演奏となりました。今回演奏した曲は、

・『〈葉桜のころ〉によせて』(編曲:澤村祐司)
 (朗読『葉桜のころ』(脚色:山崎陽子)のオープニングテーマを、独奏曲風に編曲しました)
・『ロンドンの夜の雨』(作曲:宮城道雄)
 (雨の日には、この曲が似合います)
・『みだれ』(作曲:八橋検校)
 (三百年以上の長きに渡り受け継がれている箏の器楽曲)
・『忘れ唱歌』(作者不詳)  歌詞サイトへ
 (三絃弾き歌いによる古典曲で、歌詞の内容がとても楽しい)
・『たれかおもはむ』(作詞:島崎藤村、作曲:澤村祐司)  歌詞サイト(青空文庫)へ
 (尺八と箏の二重奏を、今回は一人で箏を弾き歌い)

演奏に続いて、まりさんとの対談。そう、「上原さん」というより「まりさん」と
お呼びしたくなるような、とっても愛らしいお声の持ち主でいらっしゃいます。

実は、さかのぼること20年ほど昔、箏を始めて間もなかった頃、私は母に連れられ、
まりさんの琵琶の演奏会に伺っていて、そこで楽器にも触れさせて頂いていたのでした。
箏を始めたと言うと、「お箏、絶対に止めちゃだめよー。ずっと続けてねー。」と、
優しく語りかけて下さったのでした。舞台に朗々と響いていた声とは、まるで違っていました。

数年が経ち、まりさんも私も、不思議と朗読ミュージカルに心を惹かれていて、
お互いにそのことも知らずに、2011年の秋の舞台で、まりさんは演じ手、
私が演奏者として、驚きの再会を果たしたのでした。

まりさんは、そのことを、今回の対談で全部お話をされ、私の中で、ところどころ
薄れていた記憶が晴れてきて、感動の思いが込み上げました。

そして、会場にいらした山崎陽子先生をお呼びして、楽しい鼎談になり、
陽子先生のお話には、会場が、まるで落語のように沸きかえりながら、締めくくりとなりました。

雨か雪かの悪天候の中、皆様に無事おこしいただけるかとても心配だったのですが、
お配りしていたチラシと歌詞が足りなくなるほど、多くの皆様とお会いできたことに、
心から感謝いたします。本当にありがとうございました。

  追伸:お配りしていたチラシは、こちらの三つです。

  おうちライブのチラシ  重音会チラシ  朗読ミュージカルチラシPDF

また、「本日の歌詞」のファイルは、上記の歌詞サイトより、引用させていただいております。

寒い雨の中にも関わらず、70名を超えるお客様におこし頂き、本当に嬉しかったです。